585.JR鹿児島本線上熊本駅



JR上熊本駅は島式1面2線の高架ホームを有する鹿児島本線の駅である。
1番線は下り八代方面、2番線は上り博多方面が使用する。
画像は現在の東口駅舎であり、高架ホームを挟む形で設置されている。
地上ホーム時代は単式1面1線と島式1面2線の計2面3線構造だった。
鹿児島本線は九州鉄道が敷設した路線である。
九州鉄道は1887年に設立された九州で初めての鉄道会社で、
現在の鹿児島本線、長崎本線、日豊本線、筑豊本線の礎を築き上げた。
九州鉄道が始めに敷設したのが現在の鹿児島本線で、
1889年12月11日に博多から千歳川仮停車場(現・廃止)の区間が開業した。
翌年、この仮停車場は廃止され、久留米まで延伸された。
1891年4月1日には久留米から高瀬(現・玉名)まで延伸、
同年7月1日に高瀬から熊本まで延伸、この時同時に開業した。
開業時の駅名は“池田”だったが、1901年1月1日に上熊本に改称された。
1935年3月24日には熊本市電が駅前に乗り入れ、上熊本駅前電停が開業した。
戦後、1950年10月1日に熊本電気鉄道藤崎線が開通した。
1896年には旧制第五高等学校に赴任した夏目漱石が降り立ったとも云われ、
駅前には銅像が設置されている。
九州新幹線建設にあわせて鹿児島本線が高架化されるため、
それにあわせて2代目駅舎は2006年1月21日に仮設駅舎になった。
2代目駅舎は取り壊される予定になっていたが、
趣ある駅舎の保存運動が起きて、
現在は正面部分だけが熊本市電上熊本駅前電停に移設されている。
脇から見ると普通の屋根付き電停で、何だかテレビや映画のセットのように見える。
駅前にあった夏目漱石の銅像は道路を挟んだ反対側の公園に移設されていた。
銅像には設置の経緯が書かれている。

    若き日の漱石

 夏目漱石(本名夏目金之助)は、旧制第五高等学校の英語教師として赴任、
 明治二十九年四月十三日、ここ上熊本駅(当時池田駅)に降り立った。
 漱石は、四年三ヶ月を熊本で過ごし、その間結婚や長女の誕生を迎えている。
 漱石来熊百年を記念して、熊本で過ごした若き日の漱石の面影を偲び、
 いつまでも多くの人が親しめるよう、ここにモニュメントを設置する。

 平成八年十一月九日
      「’96 くまもと漱石博」推進百人委員会

さらに借り移設された経緯が説明書きの脇に貼られていた。

   漱石モニュメント

 この銅像は、夏目漱石来熊百年を記念して1996年に
 「’96くまもと漱石博」推進100人委員会によりJR上熊本駅前広場に設置されました。
 今回、九州新幹線建設事業及びJR鹿児島本線等連続立体交差事業に伴い、
 この地の仮移設しております。

  熊本市役所 観光政策課
  (328)2393

    平成18年10月


画像 dd24756
撮影日時 2019/05/18 14:16:02

JR上熊本駅西口出入り口。


画像 dd24760
撮影日時 2019/05/18 14:29:27
JR上熊本駅二代目駅舎。
地上ホーム時代の駅舎である。


画像 dd02531
撮影時刻 2004/05/22 09:13:48

二代目駅舎時代の駅前の様子。
この地に赴任したことのある、
夏目漱石の銅像が設置されていた。


画像 dd02533
撮影時刻 2004/05/22 09:14:50
仮設の三代目駅舎。


画像 dd10503
撮影時刻 2008/06/20 14:55:11




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