804.JR肥薩線矢岳駅



JR矢岳駅は単式1面1線の地上ホームを有する肥薩線の無人駅である。
肥薩線の山線の中でも最も標高が高く、536.9mに位置する。
駅構内には「人吉市SL展示館」があり、D51型170号機が展示されており、
またかつては8620型58654号機も展示されたが、1988年に現役復帰し、“SLあそぼーい号”に従事することになった。
1909年12月26日に鹿児島本線として鉄道院が路線を敷設、同時に開業した。
1927年10月17日に川内本線が全通、鹿児島本線海岸ルートとしてこちらが本線格になり、旧鹿児島本線は肥薩線に変更となった。
矢岳より南側に踏切付近が熊本県と宮城県の県境であり、その先に矢岳第一トンネルがある。
ここは鉄道黎明期に掘削されたトンネルで難工事を極め、多くの犠牲者が出てしまった。
旧鹿児島本線(現・肥薩線)開業当時の逓信大臣の山縣伊三郎氏と鉄道院総裁の後藤新平氏が難工事を労い、
山縣伊三郎氏の「天険若夷」と後藤新平氏の「引重致遠」の扁額がトンネルの両出入り口に掲げられている。
「天険若夷」は「てんけんじゃくい」と読み、「天険、夷の若し(てんけん、いのごとし)」、つまり「天下の険しい難所を平地のようにした」の意味。
「引重致遠」は「いんじゅうちえん」と読み、「重きを引きいて遠きに致す(おもきをひきいてとおきにちす)」、つまり「重い物を引いて遠くへ至ることが出来る」の意味。
肥薩線の観光列車「いざぶろう・しんぺい号」は山縣伊三郎氏と後藤新平氏の名前を取ったものである。
この矢岳第一トンネルと矢岳第二トンネルの間からは日本三大車窓のひとつである「矢岳越えからの霧島連山」か見え、
「いざぶろう・しんぺい号」はこの馬車で一時停止して車窓を満喫できるサービスを行っている。


画像 dd05693
撮影時刻 2006/05/13 11:07:25



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